オイシックスコラボ記念:国産スパイス「生マーガオ」が拓く、食と森の未来。

オイシックスコラボ記念:国産スパイス「生マーガオ」が拓く、食と森の未来。

2025. 12. 02

森に自生する在来スパイスを、新しい森の恵みとして産業化しようとする日本草木研究所。林業従事者の方々とともに、森林の新たな価値創出に挑むプロジェクトです。中でも、今年度より本格的な収穫と栽培が始まった「生マーガオ(アオモジ)」は、 今後の林業のあり方を変えるほどの可能性を秘めたスパイスと言えるかもしれません。今回は、南九州の林業家の方々とともに収穫したこの生マーガオを、 いち早く商品開発に活用してくださったOisixの坂本さん、赤堀さんにお話を伺いました。


⚫︎日本草木研究所とのお取り組みをどうして実現してくださったのか?

<Oisix・坂本さん>
きっかけは(坂本さんが審査員を務める)食のピッチイベントで日本草木研究所のプレゼンを聞かせていただいて、(日本の森に対して)あらためて気づかされた点があったことと、純粋にその時にいただいた試食がおいしかった点の2つです。

日本は森が多いこと、海に囲まれていることは当たり前の事実として知っていましたが、どんな課題があるかは個人的には知らなかった。森林を維持していくことが、海の綺麗さや栄養分にもつながることも別の記事では知っていましたが、実際に「今の森林を守ることに大きな課題がある」とその時に感じました。

それを単に寄付という形ではなく、“スパイス”をという商材を通して日本の新しい産業として森を守ろうという活動には可能性があるのではないかと思ったんです。スパイスは海外のものというイメージがありましたが、国産スパイスが新鮮だし本当においしかったです。

<草木研・古谷>
試食いただいた中で、記憶に残っているスパイスはありますか?

<Oisix・坂本さん>
生マーガオ×エビですね。食べたことがなかった味で印象に残っています。 2つのスパイス(レモングラスと花椒)を組み合わせたような風味で、一つのスパイスでこんなに深い香りになるのが面白かったです。しっかりとした香りなのに、食材のおいしさを消さずに生かしているところも魅力でした。


⚫︎お取り組みの決め手は?

<Oisix・赤堀さん>
まず、坂本さんの熱量が強かったことが印象的でした。なので「これは面白そうだ」と感じました。実際に試食させていただいたときも本当に美味しかったです。

私は水産の領域でキャリアを積んでいますが、水産でもサステナブルな取り組みや新しいことって、やろうとしてもなかなか難しい。それと同じように、森林という、なかなか手をつけにくい領域に取り組んでいることに意義を感じました。

そしてやっぱり、一番の決め手は美味しさです。おいしくなければ開発しようと思わなかった。美味しさが一番大きかったです。<草木研・古谷>
 美味しさが一番の動機になった、というご感想はシンプルにとても嬉しいです。


⚫︎国産マーガオ(アオモジ)に感じた可能性は?

<Oisix・赤堀さん>
山椒っぽさとレモングラスっぽさを合わせ持っているのが面白い。他にはなかなかないですよね。奇抜すぎる香りだと料理に落とし込みづらいですが、マーガオは“知っている味”の延長にありつつ、でも確かに新しい。だから入り口として受け入れやすい。

最終的にサワラと合わせましたが、最初はエビやイカなど淡白なものに合わせてみたんです。でも香りが立ちすぎてバランスが崩れた。逆にクセの強い魚だとスパイスが負けてしまう。その中間のちょうど良いところがサワラでした。

サワラはサバ科で赤身魚ではありますが、白身に近い淡泊さと身質の柔らかさがあり、香りとの相性が良かった。何度も試作して、最終的にサワラが一番でした。

開発期間は半年以上。ミールキットは通常3ヶ月で開発しますが、今回はスパイスの素材自体が未知だったので、とにかく試作の数が多かったです。社内でも「難しい」という声が上がっていましたが、最終的には納得がいくところまでは来ました。

でもまだもっと良くできる余地はあると思います。今は入り口に立ったばかり。さらに複雑な味を追求できると思います。

<草木研・古谷>
 Oisixさんのサワラ×生マーガオを試食させていただいた時に、お世辞抜きにとんでもなく美味しかったので、これがゴールだと私は思っていたのですが、まだまだ追求できるという探究心はとても心強いですし、今後が楽しみで嬉しいです。


⚫︎森や山の方へ、メッセージをお願いします。

<草木研・古谷>
林業従事者の方も読まれると思います。最後にひとことお願いします。

<Oisix・坂本さん>
森は自然に任せれば続いていくものだと思っていましたが、管理しなければ荒れてしまうことを知りました。森を守ってくれている方々のおかげで、海や川、水が保たれているのだと思います。

食の会社として、森の恵みを料理として届け、それがビジネスとして成立すれば、日本ならではの産業が生まれる可能性があると感じます。森で働く方々と一緒に、楽しく仕事ができればと思います。

<Oisix・赤堀さん>
水産も海外依存が多いですが、日本発の養殖が近年非常に増えてきています。森と海は分野は違っても、「日本の資源を大切にし、社会課題をビジネスで解決する」という点で共通しています。Oisixはそもそも「食の社会課題をビジネスで解決する」を企業のミッションとしている会社なので、草木研の取り組みを一緒になって進めていくことは、我々にとっても目標の達成に繋がるだろう。ぜひ一緒に頑張っていきたいです。

坂本さん、赤堀さん、この度はインタビューをお引き受けいただきありがとうございました!

⚫︎Oisixさんが開発された日本草木研究所提供の「国産生マーガオ」を使ったサワラのコンフィはこちらから購入いただけます

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⚫︎生マーガオの収穫をする相棒山のインタビューはこちら

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