森に眠る在来スパイス・「生マーガオ」が導く、未来の林業の可能性。
2025年夏、日本草木研究所は九州の林業家さんと連携し、日本”在来スパイス”である「生マーガオ」の産業化に向けた取り組みを開始しました。これまで杉の間伐を中心とした林業を行ってきたお二人が、新たなチャレンジに踏み出す背景とは。現地で収穫に立ち会った際のエピソードや、食と林業の新たな未来について、そして今回Oisixさんにご採用いただいたご感想について、お話を伺いました。

⚫︎草木研から「生マーガオの実を収穫したい」と相談があった時、どう感じましたか?
<中尾さん>
私のスタンスとして、与えて下さる面白そうなアイデアにはとりあえず全乗っかりする。やる事だけ決めて、どうやって実現させるかを考える。と普段から決めています。
故に、面白そう!よしやろう!という感想でした。あとは無我夢中でマーガオ探しをしていました。
<牛浜さん>
最初は正直「えっ、これ食べるの?変な人来たな(笑)」と思いました。
今までアオモジは“徐伐で切り捨てる雑木"という認識だったので、本当にびっくりしました。 ずっと 木を切るだけではない林業の新しい可能性 を探していたので、ともちゃん(古谷)のお話を聞いた瞬間にワクワクというか、「いぇーい!」ってなりました。
「 新しい林業見ーつけた!」みたいな感じでした。
(代表の中尾さん)
⚫︎このスパイスが、地域の山や経済圏にどのようなメリットを生み出せると期待していますか?
<中尾さん>
新しい収入源というだけでなく、新たな雇用や、収穫作業を通じたコミュニケーション、衰退していく地方に、既存の地域おこしとはまた違った、新しい事業も生まれていくような気がします。 古谷さんのような方が地方に足を運んでくださることで、今までなかった視点や、知見を与えてくださるのではないかなと。
<牛浜さん>
難しいことはちょっと分からないけど、アオモジをちぎったり洗ったりを地域の人達にも手伝ってもらって若い女性から年配のご夫婦まで色んな人が輪になって期間限定ではあったけど一緒にお仕事できて「ヨッシャ!」でした。
最初の収穫の時は、作業しながらみんなで 「本当にこれ食べられるのかな?」って半信半疑で。 つまみ食いしてみて「これは辛いぞッッ!!」ってなったり、「昔はつぼみを花瓶に飾るために集めて売ってたよ」なんて話も出てきたりして。
食材として使えるなんて誰も知らなかったけど、 地域によって呼び名は違っても、実は地元の人たちの間ではよく知られていた植物で。そんな発見や会話がきっかけになって、 “アオモジコミュニケーション” が生まれて、楽しくて、貴重な時間になりました。
あともう1つ。 今までの山に一緒に入る人は林業関係者(木を切る人、運ぶ人)だったのが、アオモジ探しにともちゃん(古谷)やお友達が来てくれて誰でも入れるキッカケが見つかったコトがとても嬉しいです。 人と山、森の距離が縮まった感じがしました!

⚫︎自分たちの収穫した林産物が Oisix に採用されたことについて、どう感じていますか?
<中尾さん>
自身が林業を始めた時には、想像もしなかった【食×林業】という新しい領域に挑戦出来てとてもワクワクしています。 自身が収穫したものが世に出て、日本中の人々の食卓に並ぶのがとても楽しみであると同時に、出来たものをもっと食べてみたいと思っています。 一方で、満足できる数量を確保できるかというプレッシャーも少し。最大限努力したいと思います。
<牛浜さん>
素直に、とても嬉しいです。 アオモジが持つ魅力に惹かれたんだと思いますが、私たちがずっと考えていた想いが形になってそれを 良いじゃん!って認めてもらえた ような気持ちになりました。 オイシックスさんの企業理念にある これからの食卓 これからの畑 がとても良いなと思って 今日まで先代が育ててくれた山を守りつつ これからの食卓 に美味しい食材をお届けしていけるよう、これからの森創り 楽しみながら育てていけたらと思います!

編集後記
これまで切り捨てられてきたアオモジが、「食材」としての価値だけでなく、地域の人の笑いや会話を生み、森への入り口を拓いています。来年の収穫時期には、東京から「収穫を手伝いに行きたい!」「生をみたい!」と既に収穫ボランティアに手を上げてくれる方々も沢山いらっしゃいます。 “こんなお宝が山に眠っていたんだ!”そんな発見から始まる、新しい林業の可能性。生産者自身の驚きと喜びが、そのまま新しい産業の種になろうとしています。
編集後記
これまで切り捨てられてきたアオモジが、「食材」としての価値だけでなく、地域の人の笑いや会話を生み、森への入り口を拓いています。来年の収穫時期には、東京から「収穫を手伝いに行きたい!」「生をみたい!」と既に収穫ボランティアに手を上げてくれる方々も沢山いらっしゃいます。 “こんなお宝が山に眠っていたんだ!”そんな発見から始まる、新しい林業の可能性。生産者自身の驚きと喜びが、そのまま新しい産業の種になろうとしています。
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⚫︎Oisixさんへのインタビュー記事はこちら