山の経済循環
おじいさんは芝刈りに、おばあさんは洗濯に、日本草木研究所は宝物探しに
草木研は「相棒山制度」という全国の山主との独自ネットワークを持つ。
この制度によって季節ごとにおいしい草木たちが収穫可能となる。
相棒山の方々は普段は建材を森で切ることを生業にするいわゆる林業従事者たち。
林業では長い間、杉やヒノキなど建材になる植物がお金になってきた。
草木研はむしろ逆で、全く林業においては値段がついてこなかった植物たちに
オリジナルの価格付をし付加価値をつくることに挑戦。
というのも現在では建材価格は低迷し、日本の林業市場は絶頂期の1/3に縮小。
林業は大きく二つの市場に分かれ、一つは急速に縮小する木材市場、
もう一つは50年間横ばい状態のきのこ生産市場である。
ではそこに三つ目の市場を作ることは出来ないか?
これが草木研の目の付け所である。
我々は林業において、食品や生活用品の原料調達という新たな市場を目指す。
林業人口は減少しているが、その危機意識ゆえに
挑戦的な若い山主や従事者が増えている現状もある。
「相棒山」の方々も、山の新たな活用法に日々好奇心を巡らせる。
そして飲食業界並びに食品業界においては、
ガストロノミーの流れやサステナブル志向から
自国の食材の活用に目を向ける潮流があるようだ。
我々は、そういった部分に希望を見出し、
未だマス化してこなかった林業分野での新たな仕事や事業の創造に着手する。
こうした草木研の活動が、接続可能な形で多様性のある森づくりに還元されて
いく未来を描いて今日も山に入っている。
